後出しジャンケン 2005 6 11
株式市場で、ストップ高になるような「強い銘柄」は、誰だって、買いたい。
しかし、誰でも買えるとは限らないのです。
たとえば、図1を見てください。
これを見て、Aさんは、ぜひとも買いたいと思いました。
だから、急いで、買い注文を出しました。
Aさんは、368番目の注文者となるでしょう。
その後、売り注文が増えて、売数量は、407株となりました(図2)。
社会常識からすれば、Aさんは、ぎりぎりで、何とか、間にあったと言えるでしょう。
ところが、株式市場は違います。
このまま、売買が成立しないで、大引けを迎えると、「比例配分」となります。
これは、注文数に応じて、各証券会社に、売り物(株券)が比例配分されるのです。
比例配分を受けた証券会社では、おそらく抽選で、投資家に割り当てるかもしれません。
こうした抽選に勝つには、確率を高めることです。
宝くじをたくさん買えば、当たる可能性が高くなるように、
ストップ高の銘柄についても、大量の注文を出せば、当たる可能性が高いでしょう。
後から大量の注文を出した人は、何とか1株当選して、ラッキーとなるのです。
ところで、368番目の注文者だったAさんは、どうなったか。
おそらく、抽選になれば、1株しか注文していないので、当選確率はゼロに近かったでしょう。
こうした「後出しジャンケン」が有利となる制度は、やめるべきです。
ある程度、売り注文がまとまった段階で、先着順に、買いたい人に配分すべきです。